米国公認会計士(USCPA)の倫理試験(ethics exam)合格体験記(2.5時間)

米国公認会計士の倫理試験(ethics exam)を受験し、1回目で合格した。

スコアは97点だった(100点満点中、90点で合格)。

(※本記事は私が受験した2023年7月時点におけるワシントン州の倫理試験を前提としている)

注意(2024年4月17日追記)

本記事に記載のparticipant manualは、X(旧twitter)の投稿を見る限り、2023年の秋頃から閲覧不能になっているようだ(ソース1ソース2)。従って本記事の方法は役立たない可能性があるので、ご了承頂きたい。

概要

以下のようにすれば、2.5時間で1発合格する。

  1. テキストや演習は無視
  2. Participant manualをダウンロードしてざっと目を通す(15分~30分)
  3. テストを開始
  4. Particpant manualから答えを効率的に検索しながら回答(1.5時間~2時間)

尚、注意点として、以下がある。

  • キーボードのCtrlやAltの無効化を推奨
  • 問題/回答の記録は不要

以下、順を追って説明する。

テキストや演習は無視

倫理試験は、オンライン教材及びテストAICPAウェブサイト上で購入し、自分のパソコンからブラウザ上で受験する形となっている。

建付けとしては、テキスト・演習(Contents)をこなした上で試験に進む流れなのだが、テキスト・演習の内容をまとめたPDFファイル(participant manual)をダウンロード可能で、こちらを検索しながら試験を受けてOKなため、いきなり試験を始めてOKである。

Participant manualに目を通す

倫理試験はopen-book形式。
つまり、資料を参照しながら受験することが公式に許容されている。
(参考:ワシントン州会計士協会資料

そこで、オンライン教材のまとめPDF資料であるParticipant manual(以下PDF)を事前にダウンロードしておく。(教材ソフトのホーム画面右上にあるResourcesボタンから取得可能)

PDFはそれなりのボリュームがあるため(全127ページ)、情報検索を効率的にすべく、ファイルに目を通して章立てや各章の内容を把握しておくと良い。

尚、私は30分ほどかけて斜め読みしたが、5分程度に短縮したり、本ステップを丸ごとskipしてもOKかもしれない。

Participant manualを効率的に検索

PDFの内容をざっくり把握したら、テストを開始し、ファイルで情報を検索しながら問題を問いてく。

私が解いた問題に関する限り、答えは全てPDFにそのまま書いてあり、類推や思考を要するものはなかった

従って、効率的かつ確実に検索さえすれば、短時間で着実に合格できると思われる。

検索の方法だが、基本的には問題中のキーワードを抜き出してPDF内を検索すればOK。

但し、検索がたくさんヒットするケースがあるため、その場合は検索PDFの目次リンクから適切な章に飛び(ファイルの内容を事前に把握したことがここで活きる)、章の冒頭にカーソルを合わせた上でキーワード検索すると、ほぼ5ヒット以内「答えがそのまま書いてある」文章にたどり着く。

全48問なので、1問あたり2.5分で解くと、2時間で終わる。

尚、場合によっては検索せずにAUDやREGの記憶を頼りに回答すればより早く終わると思うが、不合格になったときの面倒さ&答えが必ずPDF内に書いてあることを考え、私は頭を空っぽにして検索→回答を繰り返すスタイルを取った。

(上記の頭空っぽスタイル試験の趣旨に適合するのか?という議論あるが、伝え聞くところによると「常に一次情報にあたる」ことが会計士の重要な行動特性とのことであり、open-book形式とはつまりはそういうことなので、曖昧な記憶に頼るよりはこちらが正解では?と考え実行した)

CtrlやAltを無効化

注意点として、倫理試験はブラウザでテストサイトにアクセスした際に開かれる新規ウィンドウ内に回答していく形を取っているのだが、ウィンドウを消すと最初から受け直しになる。

途中経過は保持されない。

私は作業が終わったウィンドウを無意識にCtrl+wで閉じる癖があり、テスト途中でPDFファイルを見に行く際にCtrl+wを押してしまったのかウィンドウが消え(無意識なので記憶にない)、8割ほど回答完了していたにも関わらずテスト受け直しになるというミスを犯した。

深夜に1.5時間ほどかけた作業が一瞬で水泡に帰した

よって、似たような癖を持っている人は、Keyswap等のソフトでCtrlやAlt等の「危険なキー」無効化にしておけば安心である。

問題/回答の記録は不要

倫理試験に関する情報で、

試験を何回受けても問題は同じなので、問題/回答をExcel等に記録しておき、不合格だった場合は回答記録を参照しながら自信のない問題の回答だけ変える形で再チャレンジすると良い」

というメソッドを何度か目にした

私もそれに倣って問題/回答を記録していたが、PDFに回答がそのまま書いてある問題ばかりだったので途中でやめた

また、前述したようにテスト途中でウィンドウを消してしまい再テストする羽目になったのだが、「何回受けても問題は同じ」という情報と異なり再試験では7割程度が前回と異なる問題であった。

(上記の情報を提供していた方々とは違う州なのか、試験の仕様が変わったのだと思われる。私が受けたのは2023年7月時点のワシントン州の倫理試験である)。

逆に言えば3割程度は同じ問題が出題されたため、試験に何度も落ちるリスクが高く出題内容はランダムと考える場合、質問/回答の記録を続け、試験サイトにストックされている全問題をあらかたリスト化してしまう戦術もアリとは思う。

ただ、回答が全てPDFにそのまま書いてあるのと、問題/回答を記録していく手間を考えると、問題/回答を記録する意義はあまり見いだせなかった

結論

上記を実施すれば、英語の読解力に問題がない限り、倫理試験は2.5時間×1回で合格すると思われる。
(※私は「ウィンドウ閉じる事件」のため3.5時間かかった)

  • この記事を書いた人

Y. Middleton

3児の父/海外在住/会社経営/個人投資家/米国公認会計士(USCPA)/公認システム監査人(CISA)/公認内部監査人(CIA)